過去の失敗を思い出して落ち込んだり、後悔することはよくあります。
そんな時、よくあるアドバイスは「変えられない過去で悩むより、未来を変えていこう!」といったもの。
過去は確かに変えられません。理由は、過去には行けないから。
では、未来はどうでしょうか?
実は、未来も変えることはできません。なぜなら、未来にも行くことはできないから。
では、私たちが「未来を変えよう!」といった場合、本当は何を意味しているのでしょうか?
心理療法ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)の本にはこのように書いてあります。
過去は存在しない。それは現在の記憶以上のものではない。
Harris, R. (2007). The happiness trap: How to stop struggling and start living. Shambhala Publications.(ラス・ハリス.岩下慶一(訳).(2015) 幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない 筑摩書房)
未来も存在しない。それは現在の思考やイメージでしかない。
あなたにあるのは現在この瞬間だけなのだ。それを最大限に活かそう。

ポイントは、「あなたにあるのは現在この瞬間だけなのだ。それを最大限に活かそう。」という部分。
未来ではなく「今、この瞬間の行動」を変えることが重要。

行動力がアップの秘訣がここにあります。
この記事はこんな人におススメ
- 行動力を上げたい人
- 先延ばしのクセがある人
- 悩んで身動きがとれなくなっている人



大学・大学院で6年心理学を学び、公認心理師の資格を持つ僕が解説します!
過去は変えられない





来週、資格試験があるけど勉強に全然集中できないよー。



どうしたの?



昔、試験受けた時に緊張で頭が真っ白になっちゃってさ・・・。



その時のことを思い出すと、勉強が手につかなんだ(泣)



過去のことを思い出して、嫌な気分になったり悩んじゃったりすることってあるよね。



ところで、過去は変えられる?



変えられない・・・



変えられない過去に悩んでエネルギー使うのは勿体ないよね。
- 人は、変えられない過去で悩む。
- そのことに、多大なエネルギーを費やしている。
- その結果、今やるべきことができなってしまう。
未来も変えられない





過去は変えられないよね?



うん。過去は変えられないから、未来を変えるよ!



未来も変えられないよ。



え!?なんで!?



さっき「過去は変えられない」って言ってたよね?どうしてそう思ったの?



過去には行けないから。



そうだね。じゃあ、未来には行ける?



未来にも行けない。



じゃあ、未来も変えられないよね?



えー!なんて意地悪な言い方・・・。



未来は変えられるよ!



なんで?



だって、このまま勉強しなければ未来は不合格だけど、勉強すれば未来は合格にかわるじゃん?



なるほど、確かに。



その場合、変えているのは未来かな?



ん?ちょっと何言ってるかわからない・・・。



それは、「勉強するか、勉強しないか」っていう現在の行動を変えてるんじゃない?
- 未来は変えられない。
- なぜなら、未来には行けないから。
- 変えられるのは現在の行動。
変えられるのは現在の行動





過去も未来も変えられないよ。



変えられるのは「今・この瞬間の行動」。



なんでこんな考え方するの?



行動力が上がるからだよ。



わからない問題を質問しようと思っても「まあ、後でいいかな・・・」って思うことない?



ある!



仕事終わって家で資格の勉強しようとしたとき「疲れてるから今日はいいかな・・・」って思うことない?



ある、ある!



その時に、「合否は、今・この瞬間の行動が影響する!」と考えるんだよ。



確かに、そう考えると行動できる!



今、やることが大事。過去でも未来でもなく「今・この瞬間の行動」!
上記の勉強の例の他にも、
- 「凄くいい求人があったけど、応募しようかな~。でも自分じゃ採用されないかな~」
- 「会いたかった人がオフ会に参加するんだよなー。参加したいけどちょっと不安だな~」
- 「チャットで人と交流してみたいな~」
このような思考が頭に浮かんだ時に「今・この瞬間の行動が大事」と考えることで、行動を起こしやすくなります。



望む未来を手に入れたいなら、「今」に集中して現在の行動を変えよう!
まとめ
- 過去も未来も変えられない。変えられるのは「今・この瞬間の行動」。
- こう考えると、行動力が上がる。
- 望む未来を手に入れたいなら、現在の行動を変えるのが大事。
「今」に集中して行動するためには、心理療法ACTにおける「価値」の概念も大切です。
「価値」の概念についてはこちらの記事をどうぞ。
この記事で参考にした本


参考文献
Harris, R. (2027). The happiness trap: How to stop struggling and start living. Shambhala Publications.(ラス・ハリス.岩下慶一(訳).(2015) 幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない 筑摩書房)